2015年2月14日土曜日

呼称で論争、国際メディアも混在=「イスラム国」使用は少数派

イラクやシリアで勢力を拡大した過激組織「イスラム国(IS)」の呼称をめぐる論争が日本で起きている。この呼び方がイスラム世界を代表した国家であるかのような印象を与えかねないためで、国際メディアの間でも呼称は混在している。
 イスラム国の前身は2006年にできたテロ組織「イラクのイスラム国(ISI)」。その後、内戦が激化したシリアに介入して活動範囲を広げたため、13年にはアラビア語で「ダウラ・アル・イスラミーヤ・フィル・イラク・ワ・シャム」と名乗り始めた。
 シャムは歴史的な大シリアを意味し、英語ではトルコやレバノンなどを含むレバント(地中海東岸地域)と訳された。このため、「イラク・レバントのイスラ ム国(ISIL)」やレバントの代わりにシャムやシリアの頭文字を取ったISISという表記が見られるようになった。アラビア語圏や専門家の間では、アラ ビア語の頭文字から「ダーイシュ」と呼ばれる。
 中東の衛星テレビ局アルジャジーラはアラビア語では「タンジーム・ダウラ・イスラミーヤ(イスラム国組織)」と伝え、組織を意味するタンジームという単 語を加えている。英語版サイトではISILとの表記が見られる。一方、中東で影響力のあるアルアラビアは、アラビア語版で「ダーイシュ」、英語版で ISISを使っている。一方、英BBC放送は「イスラム国」と表記。米紙ニューヨーク・タイムズはISISを使用している。 

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